読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

『祇園の姉妹/Sisters of the Gion(1936年)』〜溝口健二監督の女性ハードボイルド・和風ノワール映画

フィルム・ノワール及びハードボイルド映画というと1941年の『マルタの鷹』を起源とすることが多いようですが、それに遡る事5年前の昭和11年の日本において女性を主人公としたハードボイルド映画が存在していたことをご存知でしょうか?。それが今回ご紹介す…

2016年映画ベスト10、或いは ”私はあなたの作品が大好きです”ということ

年末ですので2016年映画ベスト10をやっておきます。新作は見てない方が圧倒的に多いのですが、今年見れた数少ない新作映画の中から自分の好きなおすすめの映画を10本(または15本)選んでお伝えします。 では洋邦合わせて1位から。 1位:『ハドソン川の奇…

スティーヴン・キングか深夜アニメみたいな泉鏡花の『昼春・昼春後刻(1906年)』と映画『陽炎座』謎記号の秘密

映画『陽炎座』に絵で一回、指で背中に書いて二回、最後のセリフで一回と計四回も出てくる謎記号「〇△☐」ですが、映画の中ではまったく説明がありません。 そこで原作泉鏡花の『陽炎座』を読めば何か分かるかと思ったのですが、そこにも記載がありませんでし…

『夢二(1991年)』 ~ 鈴木清順による"浪漫三部作"の清順時空③

『夢二(1991年)』 前二作が原作付で全くのフィクションの世界を描いていたのに対して、本作はオリジナルで実在の人物(沢田研二扮する「竹久夢ニ」、宮崎萬純扮する「彦乃」、広田玲央名扮する「お葉」)が登場する映画になっています(とはいっても当然の…

『陽炎座(1981年)』 ~ 鈴木清順による"浪漫三部作"の清順時空②

『陽炎座(1981年)』 傑作『ツィゴイネルワイゼン』よりさらにエロ度、グロ度、ナンセンス度、つまりは清順度がパワーアップしたのが本作です。二時間二十分のフルマラソンなのに百メートルの短距離走のペースで全力疾走してるかのようなテンションの高さで…

『ツィゴイネルワイゼン(1980年)』~ 鈴木清順による"浪漫三部作"の清順時空①

結果的に"(大正)浪漫三部作"と呼ばれている『ツィゴイネルワイゼン(1980年)』と『陽炎座(1981年)』と『夢二(1991年)』という三本の映画は同じ監督(鈴木清順)と製作者(荒戸源次郎)と脚本家(田中陽造)と音楽家(河内紀)によって手掛けられてい…

虎の尾を踏む複眼の男達は蝦蟇の油の夢を見るか? ~ 黒澤明の唄と関連書籍

黒澤明自身が見た夢を元にして製作されたと言われている1990年に公開された『夢』という映画のいくつかのエピソードには実は有名な原作本が存在していた事をご存じでしょうか?。1978年3~9月に週間読売に連載され、1984年に単行本化された『蝦蟇の油―自伝の…

『生きる(1952年)』/『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK(2016年)』~ バットとハッピー・バースデーと暗渠と

今月は黒澤明の『生きる』とロン・ハワードの『ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years』/シェアスタジアムライブが4Kリマスターで劇場に掛かってますね。大画面で若き天才達の才能の一端を堪能できる素晴らしい機会です。 この20世紀を代…

『古都憂愁 姉いもうと』/ 『なみだ川』 (1967年)~ 三隅研次の女性映画③(藤村志保編)

『古都憂愁 姉いもうと(1967年)』 キャストは藤村志保と新人の若柳菊(現:鹿内寛子)の姉妹で京都の料亭を舞台に色々入り組んだ人間関係が最後には修復する話です。八千草薫、船越英二、藤岡琢也の助演陣もキャラの立った素晴らしい演技です(若柳菊に関…

『雪の喪章(1967年)』 ~ 三隅研次の女性映画②(若尾文子編)

『雪の喪章(1967年)』 傑作『眠狂四郎無頼剣 (1966年)』の次に撮られた作品で、同じ年に『古都憂愁 姉いもうと』と『なみだ川』が撮られておりますので三隅研次の女性映画メロドラマ三部作の第一弾とでもいうべき作品でございます。 原作は金沢出身の女…

『女系家族(1963年)』 ~ 三隅研次の女性映画①(京マチ子編)

男性向け時代劇や活劇を主なジャンルとして活躍し、広くは海外のジョン・カーペンターやサム・ライミやクエンティン・タランティーノにまで影響を与えた(*1)三隅研次ですが、大映プログラム・ピクチャーの職人監督として、市川雷蔵の『眠狂四郎』や勝新太…

『シン・ゴジラ(2016年)』 〜 庵野秀明による3.11以降の総力戦「ゴジラのいちばん長い日」

タイトル まずこの映画は現在の東宝マークから始まり、次に一昔前の東宝マークが表示され、次にこれまた一昔前の青バックに白地の「東宝映画作品」が表示され、一作目の例の足音の地響きとゴジラの咆哮と共に黒バックに白地の「シン・ゴジラ」のタイトルが表示…

『キングコング対ゴジラ(1962年)』 ~ チェレンコフ放射の青い光(4K リマスター)

チェレンコフ放射 - Wikipedia チェレンコフ放射(チェレンコフほうしゃ、Čerenkov radiation、Cherenkov radiation)とは、荷電粒子が物質中を運動する時、荷電粒子の速度がその物質中の光速度よりも速い場合に光が出る現象。チェレンコフ効果ともいう。こ…

『映画監督 村川透 和製ハードボイルドを作った男』 山本 俊輔/佐藤 洋笑 (著)

僕の大好きな監督である村川透さんのドキュメント本が出ていたので遅ればせながらご紹介します。自分は監督の大ファンを自称しつつもそのTVも含めると400本(!)近いフィルモグラフィーの大部分を見ていないというファン失格の不届き者です。 まぁ、自称フ…

2016上半期ベストアニメ5選

今週のお題「2016上半期」 お題に沿って上半期のベストを書いてみたいと思います。最近の映画は自分の趣味とはかけはなれた物ばかりなので(←単に見てないだけかも)アニメで選んでみました。以下独断と偏見で適当なことを書きますが読み流してくださいね。…

顕在化する”『銀河鉄道999』寿命格差問題” 〜 <今そこにある未来ニュース①>

(今回はまとめニュース風で) 『銀河鉄道999(1979年)』は当時の一流職人スタッフが集結したジュブナイル物としては日本アニメ映画史上最大の金字塔ともいえる昭和の名作ですが、意外にもこの映画に描かれるテーマの一部分は極めて今日的な社会問題を取り…

『大野雄二 』~あるいはジャズ・フュージョン界のモーツァルト ~

大野雄二さんの仕事で驚かされるのはその音楽自体の素晴らしさもさることながらその仕事量の多さです。 特に70年代後半から80年前半にかけての映画、テレビ、歌謡曲、CMと多岐にわたる活躍はその全貌を誰も把握することが不可能だと思えるほど膨大です(果た…

『悲愁物語(1977年)』~「三協映画」魔のトライアングルより生まれし鈴木清順の色彩遷移アクション~

1.『三協映画』~ 魔のトライアングル 三協映画とは何か。それは三つの異なる世界が交差する魔のトライアングルです。 まず一つ目は梶原一騎に代表される漫画・劇画の世界です。 『巨人の星』や『あしたのジョー』に代表されるスポ根漫画の原作者として知…


映画(全般) ブログランキングへ

にほんブログ村