1950年代

『フリッツ・ラング』鏡の国の冥界の秘密(米時代全検証レビュー)

映画監督に著作権は無くともその刻印は存在します。フリッツ・ラングにおける鏡はこれ見よがしに演出されるのではなく、さもそこに在る事が当然のような正確さで実務的に対象を反射しています。それはアクション、サスペンス、ロマンスといったジャンルを問…

『生きる(1952年)』/『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK(2016年)』~ バットとハッピー・バースデーと暗渠と

今月は黒澤明の『生きる』とロン・ハワードの『ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years』/シェアスタジアムライブが4Kリマスターで劇場に掛かってますね。大画面で若き天才達の才能の一端を堪能できる素晴らしい機会です。 この20世紀を代…

『高い標的 / The Tall Target /(1951年)』~アンソニー・マンによる究極の縦長映画

縦長映画?そんな映画のジャンルは存在しないのですけれども、この映画を勝手ながらそう呼ばせて頂きます。 “The Tall Target ”略して“TTT”。このアルファベットの中でも縦長といっていい文字である“T”がこの映画のタイトルとして三つ並んで冠されているのは…