2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『レモ/第一の挑戦(1985年)』~ ガイ・ハミルトンは永遠に ~

そのキャリアの終盤に作られた『レモ/第一の挑戦』という傑作の存在にも関わらず、その作家性についてあまり語られることがないのがガイ・ハミルトンの奇特なところではないでしょうか。純粋娯楽映画に作家の刻印などは邪魔でしかありませんので、むしろ匿…

『高野文子』~ピカソのようにスタイルを変えて進化する変幻自在な天才漫画家~

天才漫画家といってまず一番最初に僕の頭に浮かぶのは高野文子さんです。寡作ながらも作品毎にピカソのようにガラっと絵のスタイルを変えて脱構築的に進化する天才的に絵の上手いカリスマ漫画家さんです。 1979年の商業誌デビュー以来、以下の漫画作品が出版…

『津野裕子』~“純文学”ならぬ“純漫画”と呼びたい天才漫画家のマジックシュルレアリスム~

好きな漫画家さんシリーズで津野裕子さんについて書いてみます。 津野さんは1986年に雑誌『ガロ』でデビューしてその後も主に『ガロ』で短編作品を中心に発表されてきた知る人ぞ知る天才漫画家さんです(青林堂の長井勝一さんをして「十年に一度の天才」と言…

『ちいさこべえ』~望月ミネタロウが山本周五郎の『ちいさこべ』に“え”を加えた魅力~

果たして日本にティム・バートンやデヴィッド・リンチのような天才・異才はいるのかと考えてみますと、僕はまず映画監督ではなく漫画家の望月ミネタロウさんのことを頭に思い浮かべます。というのも望月さんは非常に映画的なモンタージュされたコマ割やカメ…