映画
1964年のクリスマスプレゼント 1964年の12月24日、若き駆けだしの演出家とこれまた若き駆けだしの俳優兼脚本家が、その俳優自身にインスパイアされた出来事を元に『エピタフ(墓碑銘)』というタイトルの映画を作ろうと構想を練っています(ハリウッド映…
ミッチェル・ヘイブンという未知の新進気鋭の監督によって制作された『果てなき路(Road to Nowhere)』というミステリー映画は全編一眼レフのデジタルカメラ(Cannon EOS 5D MARKⅡ)によって撮られた世界初の革新的ともいえるデジタルシネマです。彼は現在…
特にイスラエルの映画に関して興味があるという訳ではないのですが(というか完全に未知の世界でありますが)、アリ・フォルマン以上にドキュメンタリーとフィクションを行き来し、中東と欧州を股にかけて精力的に活躍しているイスラエルの鬼才、アモス・ギ…
「あぁ、世の中にはこんな映画が存在するんだ」と新しい映画言語に出会った際に衝撃を与えてくれる作品が稀に存在しますが、イスラエルのアリ・フォルマン監督による『戦場でワルツを(2008年)』という映画はまさにそういう作品でした。自身のレバノン内戦…
世界で一番絵が上手く、かつ世界的に影響を与えた天才漫画家は誰かといってまず思い浮かぶのはこの人しかいません。特に日本では『風の谷のナウシカ』の宮崎駿とか『AKIRA』の大友克洋とか、もしメビウスが存在していなかったらどんな画風で作品を描いたのか…
そのキャリアの終盤に作られた『レモ/第一の挑戦』という傑作の存在にも関わらず、その作家性についてあまり語られることがないのがガイ・ハミルトンの奇特なところではないでしょうか。純粋娯楽映画に作家の刻印などは邪魔でしかありませんので、むしろ匿…
「黙示録三部作」の三作目と言われている『マウス・オブ・マッドネス(1994) 』について書きます。ホークスの西部劇三部作同様、パラダイムと同じ話を換骨奪胎した物語とも言えます。 閉鎖された教会の地下室は閉鎖されたホラー作家の描く街に、 闇のプリンス様…
「黙示録三部作」の二作目と言われている『パラダイム(1987) 』について書きます。ホークスの西部劇三部作同様、物体Xと同じ話を換骨奪胎した物語とも言えます。 閉鎖された南極の空間は閉鎖された教会の地下室に、 宇宙人は闇のプリンス様である悪魔に(こ…
1982年のターニングポイント どうみてもコメディなのにたいして笑えないタランティーノの『ヘイトフル・エイト(2015)』の話はどうでもいいとして、その元ネタであるジョン・カーペンター(以下ジョンカペと記す)監督の傑作『遊星からの物体X(1982)』に…
過激な音楽映画というと皆さんはどのような映画を思い浮かべるでしょうか。 アレックス・コックスの『レポマン(1984)』や『シド・アンド・ナンシー(1986)』のようなパンクな映画、アラン・パーカーの『ピンクフロイド ザ・ウォール(1982)』のようなMTVっぽい…
1.『三協映画』~ 魔のトライアングル 三協映画とは何か。それは三つの異なる世界が交差する魔のトライアングルです。 まず一つ目は梶原一騎に代表される漫画・劇画の世界です。 『巨人の星』や『あしたのジョー』に代表されるスポ根漫画の原作者として知…
前世紀においては『呪われた作家』とも称されていたジャッ ク・リヴェットでありますが、 21世紀の今日においてこそ、その先進性と孤高の独創性が評価されるべき早すぎた『来るべき作家』と称される存在でしょう。 例えば1974年に製作された『セリーヌとジュ…