【必聴!】暑い夏の夜を乗り切るクールでコロンコロンしたブラジリアン・レアグルーヴ10選

暑い~。寝苦しい〜。こんな時は少しでもクールな音楽を聴いて涼みたいですよね。ジャンルは何でもいいんですけれど日本より暑い国の人たちが聞く音楽がいいんじゃないでしょうか。何せ日本よりさらに暑い国の人たちが涼む音楽ですからね。間違い無しです。あとフェンダー・ローズとかの電子ピアノやオルガンがコロンコロン鳴っているのが良いです。あれは心地良くてウトウトしてしまいます。クールでコロンコロンでウトウトしてチルアウトです。という訳でだいぶ絞られてきました。オススメのブラジリアン・レアグルーヴでコロンコロンな音楽10選をどうぞ。

 


『 ANA MAZZOTTI(1974年)』 アナ・マゾッティ

アナ・マゾッティの美しく透き通った歌声を結成前のアジムスの面々がバックで支えるブラジリアン・レアグルーヴの名盤です。何故か女性ジャズボーカリストだったら必ず歌う定番の「Feel Like Making Love 」ですが、数多ある中でもこれがベストではないでしょうか。脳がとろけてしまいそうです。


ANA MAZZOTTI - FEEL LIKE MAKING LOVE


 『Light As A Feather(1979年)』アジムス(Azymuth)

 アジムスは名盤ばかりでどれも素晴らしいのですが、有名な『クロスオーバーイレブン』のテーマ曲「Fly over the Horizon」が条件反射の如く脳内に刷り込まれてしまっているのでまずはこの作品を挙げねばなりません。津嘉山正種さんのナレーションまで脳内再生されるのが困りモノではありますが、この浮遊感溢れるクールな幽玄さの魅力には抗えません。


Azymuth - Fly over the Horizon (Vôo Sobre O Horizonte)


  『オルガン・サウンド(1970年)』ジョゼ・ホベルト・ベルトラミ(José Roberto Bertrami)

 アジムスサウンドの要であるベルトラミのソロです。ソロでもアジムス同様どのアルバムも外れ無しで素晴らしいのですが、これは彼の洗練された非凡な才能が分かる70年のファーストアルバムです。


José Roberto E Seu Conjunto - Organ Sounds, Um Novo Estilo (1970)


  『プレヴィザォン・ド・テンポ(1973年)』マルコス・ヴァーリ(MARCOS VALLE )

マルコス・ヴァーリはボサノバからポップスから何からジャンルの境界を越境する実験的で革新的なMPBのマエストロです(MPBは「ブラジリアン・ポピュラー・ミュージック」の意)。どれも素晴らしいアルバムばかりなんですけど、ジャケットの涼しげなこれを選んでみました。これもアジムス絡みと後で知ってビックリ。探せばアジムスとの共作が結構あるんですね。  


Marcos Valle - Previsao Do Tempo


 『ケン・エ・ケン(1970年)』ジョアン・ドナート(João Donato)

シンプルなピアノ演奏物から「ア・バッド・ドナート」のようなクロスオーバー/フュージョンまでどれもドナート節ともいえる名盤ばかりですが、これはマルコス・ヴァーリのプロデュースによるブラジル復帰作で、数あるドナートのディスコグラフィの中でも名盤中の名盤といえる作品です。クールではありませんが温かみのあるドナートおじさんの歌とコロンコロンしたローズの音色がすごくマッチしています。 


joao donato - me deixa


 『Stone Flower (1970年)』アントニオ・カルロス・ジョビン(Antônio Carlos Jobim)

 CTI+ジョビンの組み合わせで心地良さ倍増の名盤です。 デオダート、アイアート・モレイラのブラジル勢とロン・カーター、ヒューバート・ロウズ、ジョー・ファレルの米ジャズ勢がバックで文字通りフュージョン/クロスオーバーしつつもジョビン特有の清涼感溢れる音楽が奏でられます。


Antonio Carlos Jobim - Stone Flower


『Impuls O! (1964年)』エウミール・デオダート(EUMIR DEODATO

ブラジル時代のサンバ作品もCTI以降のクロスオーバー/フュージョンどちらも楽しいデオダートですが、これはブラジル時代「Os Catedraticos」というグループ名での初アルバムです。この年(1964年)はソロ名義のアルバムも含め、5枚も出していて21歳の若き天才の爆発する勢いが感じられます。


Eumir Deodato - 04 Baiaozinho - Impuls O!


 『Antonio Adolfo E A Brazuca』(1971年)』アントニオ・アドルフォ(Antonio Adolfo E A Brazucantonio)

アントニオ・アドルフォはMPBを代表する稀代のアレンジャー/ピアニストでどのアルバムも外れ無しの素晴らしさです。というかどんなジャンルをやっても個性が出てしまうのが上記のミュージシャン達と同じ傑出した才能です。基本はボッサ・ジャズなピアニストなんですが、これはソフトロックっぽいバンドサウンドの男女混合ボーカルの2ndです。


Antonio Adolfo e A Brazuca - Transamazonica - 1970 [Brazil]


『ARTHUR VEROCAI(1972年)』アルトゥール・ヴェロカイ(ARTHUR VEROCAI)

本職はプロデューサーながらも孤高の優れたアレンジ・センスと哀愁のある歌が素晴らしい超寡作なアルトゥール・ヴェロカイのソロ・デビュー盤です。気分はサウダージで結果的に涼しくなります。この複雑なアレンジをちゃんと再現しているライブ版やアジムスが参加している『Encore』も素晴らしいです。


Arthur Verocai - Na Boca do Sol


『マニフェステイションズ(1979年)』マンフレド フェスト(Manfredo Fest)

盲目のブラジル人ピアニストによるカラフルなジャケ(金魚!?)も楽しい楽園フュージョンです。1960年代のトリオ編成によるボッサ・ジャズ時代も良いのですがこれは時代を反映したクロスオーバー作品で1976年の『ブラジリアン・ドリアン・ドリーム』同様名盤です。

 


Manfredo Fest - Jungle Kitten


なんかあっという間に10枚埋まってしまいました。まぁ、知っている方にとっては定番なんでしょうけれど、全然知らない方や全く興味の無い方もまずはちょっと一曲聴いてみてくださいな(最近はレアなグルーヴでは無くなって探せばなぜかyoutube でフルアルバム聞けたりします)。

ブラジルから涼しい新鮮な風が吹いてきますよ。

 

以上、暑い夏を乗り切るクールでコロンコロンしたブラジリアン・レアグルーヴ10選でした。