【登場人物】
・早瀬 真理
三年間行方不明である科学者の父とパティシエールな母を持つタイムトラベル少女です。
地球それ自体が一つの大きな磁石からなっているということを、球形の磁石のまわりの小さな磁石の振る舞いから類推して1600年に「磁石論(磁石及び磁性体ならびに大磁石としての地球の生理)」を書いた人です。磁気と電気の違いを明確にし、電気 (electricity) という言葉の語源(electricus)を作った一人とされており、後にAEDの電気的刺激でサッカー少年の命を救った間接的な恩人として本アニメに描かれます。
それまで有限と考えられていた宇宙が無限であると主張し、コペルニクスの地動説を擁護した人です。無限宇宙が「純粋気体」で満たされるという考えは後の「エーテル」概念の走りとも言われています。また地球も太陽も宇宙の1つの星にすぎないという当時は異端でも現在では常識となっている事を主張しました。そして異端審問で自説を撤回しなかったため、7年間獄中で過ごし火刑に処せらました。後にニール・ドグラース・タイソンのリブート版『コスモス:時空と宇宙(2014年)』(製作総指揮は『テッド』のセス・マクファーレン)の第1話の中でアニメとしてその生涯が語られましたが、本アニメでは1600年に起きたその非業の死に関して名前だけの登場となります。
【ストーリー】
1600年2月のロンドンにタイムトラベルした早瀬真理は突然現れた自分を見て気絶したメイドさんを(AEDではなく)心臓マッサージで助けようとしたことをきっかけに医師であり科学者のウィリアム・ギルバートに出会い、彼の家に宿泊します。
次の日、早瀬真理は(親友の水城和花の依頼により彼女が想いをよせる幼なじみのサッカー少年の誕生日プレゼントのために)パティシエールな母ゆずりの腕前でサッカーボール型ホールケーキを試作、及びシュークリームでギルバートに宿泊のお礼をしようとします。そしてそのサッカーボール型ホールケーキの形状を見てギルバートが地球それ自体が一つの大きな磁石である地磁気の発想を模型によって立証するというインスピレーションを得ます。
その時を同じくしてローマから手紙が届き、ジョルダーノ・ブルーノが同年2月17日に処刑されたことを知り、同じくコペルニクスの地動説を支持し地球の自転を説くギルバートは悲しみと怒りにうち震えるのでした。
以上が『タイムトラベル少女』第2話「悲しみのギルバート」の要約です(第1話で起きた出来事が第2話でロバート・ゼメキス並に伏線回収されます)。
どうも特に電力会社がスポンサーという訳でもないのに電気関連の偉人をサブリミナル的に学習させるシリーズのようですね(製作が学習塾関連らしい)。お菓子作りで偉人に歴史介入して現在に戻って電気の有り難みが分かる構成なんでしょうか(今回の話だけかもしれませんが)。
いずれにせよなんか土曜の朝からひとつ賢くなったような気がする歴史介入(非改変)アニメですね!(注:これは早起きで健全なお子様のために作られた健全なアニメです。ターゲットは小学校高学年から中・高生で昔の『NHK少年ドラマシリーズ』の路線を目指しているそうで、作品名は『タイム・トラベラー』+『時をかける少女』*1で『タイムトラベル少女』ということなのかもしれません)。