『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年)』をより楽しむための映画7選

JJの『フォースの覚醒』には一ミリも心動かされずに何も覚醒しなっかった私ですが、今回の『ローグ・ワン』に関してはさすがゴジラを見事に復活させたギャレス・エドワーズ監督とあって映画的な萌えどころ、いや燃えどころを心得た、”これこれ、これがSWだよねー”と言う素晴らしい出来に十分満足しております(主に終盤部分だけですが)。

ということで期待に違わぬ素晴らしい出来だったローグ・ワンの公開を祝して、ローグ・ワン(及び『スター・ウォーズ』シリーズ)をより楽しむための映画を七本セレクトしてご紹介します。 


座頭市物語(1962年)』監督:三隅研次

『ウォーカー(1987年)』監督:アレックス・コックス

事前に「あれ座頭市じゃね?」と言われていたドニー・イェン扮するチアルート・イムウェですが、本当にまんま座頭市でしたね。半世紀以上前の三隅研次の傑作が現代のハリウッド映画で蘇るというのはなんとも痛快で感慨深いものです。

あとエド・ハリスが主演の方の『ウォーカー』は19世紀ニカラグアを舞台にしたアレックス・コックスの快作でして、この映画とはなんら関係もありませんが、ドニー・イェンの感動的なウォーカー振りがウォーカーを想起させたのでここに挙げておきます。 

 


七人の侍(1954年)』監督:黒澤明

特攻大作戦(1967年)』監督:ロバート・アルドリッチ

この二本をもっとパクっていれば前半部分がもっと面白くなっていたはずだと思うのですがさすがにそんな恥知らずな事はしなかったみたいですね。

しかしならず者部隊は傑作『特攻大作戦』並みにキャラの立ったならず者であればさらに面白くなったろうと思うのですが、ファミリー層向けのディス二ーじゃそんなダーティなキャラは無理だったのでしょうか。座頭市以外は意外と地味なならず者部隊でございました。

 


プライベート・ライアン(1998年)』監督:スティーヴン・スピルバーグ

でっかい『ジョーズ(1975年)』を主人公にした『GODZILLA ゴジラ(2014年)』のようにスピの影響を隠さない、というかスピを見て育った世代であろうギャレス監督。今回は『プライベート・ライアン』のオマハ・ビーチの如く壮絶な戦闘シーンでも繰り広げられるのかと期待していたのですが、さすがディズニー帝国軍、「もっと明るくしろ」と終盤部分はリライトして撮り直させたそうです。戦闘の舞台がビーチなのはその名残りなのでしょうか。残念。


国民の創生(1915年)』監督:D・W・グリフィス

イントレランス(1919年)』監督:D・W・グリフィス

とにかく物語面では黒澤の『隠し砦の三悪人(1958年)』の影響ばかりが取りざたされる『スター・ウォーズ(1977年)』ですが、技術的な手法の面で言うとシリーズで毎回繰り広げられる複数の舞台がクロスカッティングされてクライマックスの大団円(あるいはその逆)を迎えるというこの手法を遡ってみると、100年近く前の『国民の創生』や『イントレランス』に辿りつきます。いくら技術が発達した現在であっても映画はグリフィスの呪縛や影響からは逃れられないということなのでしょうか。もっともルーカスは兄貴分であるコッポラの『ゴッド・ファーザー(1972年)』からこの手法をパクったのでしょうけど。

    


ともあれ知らず知らずの内に世代を越えて(いろんな映画が)影響しあって現在に繋がっているというのはなんともこの映画にふさわしい話ですね。

以上『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年)』をより楽しむための映画7選でした。

 

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