1980年代
今年はドキュメンタリー映画『デ・パルマ』(ノア・バームバックとジェイク・パルトローの共同監督)が公開されると言うこともありデ・パルマ作品を色々と見直していたのですがどれも面白いですね。一般的には当たりハズレが大きいと言われているデ・パルマ…
4月26日、やけに羊たちの沈黙のツイートが多いなとぼんやりとtwitterを眺めているとR.I.Pの文字が目に飛び込んでくる。まさかと思い他のツイートを見ると同じ事が書いてある。なんてこった、嘘だろ・・・と思う。twitterはいつも最新のニュースを届けてくれ…
大好きなアニメーターさんシリーズでうつのみや理(さとる)さんについて書きます。その個性の強さゆえに一連のテレビシリーズの中では際立って浮いてしまい物議をかもす事もありますが、その省略されたキャラのシンプルさとフルアニメーションのようなリア…
ニコール・キッドマン主演で話題の『アラビアの女王 愛と宿命の日々 / Queen of the Desert (2015年)』の近日公開(1月21日(土)より新宿シネマカリテ、丸の内TOEIほか)を記念して、狂気を描かせれば右に出るもののいない巨匠ヴェルナー・ヘルツォークのお…
2016年を代表するヒット商品であり、あっというまに世間を席巻して、あっと言う間にブームが過ぎ去った感のあるポケモンGOですが(今だと話題はAmazon GO?*1)、これに遡ること35年前にポケモンGO的AR(拡張現実)でパリの町を冒険する最高にキュートなファ…
『陽炎座(1981年)』 傑作『ツィゴイネルワイゼン』よりさらにエロ度、グロ度、ナンセンス度、つまりは清順度がパワーアップしたのが本作です。二時間二十分のフルマラソンなのに百メートルの短距離走のペースで全力疾走してるかのようなテンションの高さで…
結果的に"(大正)浪漫三部作"と呼ばれている『ツィゴイネルワイゼン(1980年)』と『陽炎座(1981年)』と『夢二(1991年)』という三本の映画は同じ監督(鈴木清順)と製作者(荒戸源次郎)と脚本家(田中陽造)と音楽家(河内紀)によって手掛けられてい…
今ではすっかり巨匠となってしまったクリント・イーストウッド ですが、スキがあれば死者の霊に耳を傾ける、あるいは死者の霊そのものが主役となるというちょっとキワモノ的というか丹波哲郎的な映画を撮ってしまうという傾向があります。以下そのいくつかを…
スタートレックの新作があまりにつまらなかったので映画版第一作(TMP)が相対的に傑作に見えてしまうというイヤミな話(JJはこのまま二大SFシリーズを糞化させた戦犯として後世の映画史に名を残すつもりなのか?)を書こうと思ったのですが、タイトル時点で…
アメリカ映画はいつから衰退しはじめたのか? 昨今劇場にかかっているアメリカ映画の超大作の大半があまりに安全すぎて退屈だという現実的な問題の根本原因が一体どこにあるのかと遡って考えてみますと、そこには1980年の『天国の門』という一人の完全主義者…
2016年は現在アメリカ映画界最高峰の演出力を誇る映画作家の一人、クリント・イーストウッドの新作が公開されるという幸運な年です。1930年生まれの86歳というのですからアメリカ映画界最高齢かつ最強の映画監督ともいえます。子供の頃から見ていたイースト…
そのキャリアの終盤に作られた『レモ/第一の挑戦』という傑作の存在にも関わらず、その作家性についてあまり語られることがないのがガイ・ハミルトンの奇特なところではないでしょうか。純粋娯楽映画に作家の刻印などは邪魔でしかありませんので、むしろ匿…
「黙示録三部作」の二作目と言われている『パラダイム(1987) 』について書きます。ホークスの西部劇三部作同様、物体Xと同じ話を換骨奪胎した物語とも言えます。 閉鎖された南極の空間は閉鎖された教会の地下室に、 宇宙人は闇のプリンス様である悪魔に(こ…
1982年のターニングポイント どうみてもコメディなのにたいして笑えないタランティーノの『ヘイトフル・エイト(2015)』の話はどうでもいいとして、その元ネタであるジョン・カーペンター(以下ジョンカペと記す)監督の傑作『遊星からの物体X(1982)』に…