『ツイン・ピークス The Return(2017年)』 ~ 25年振り主要キャストの”今と昔” ー I'll See You Again in 25 years
「あなたの好きなあのガムが、また流行りだすようだ」
25年振りに『ツイン・ピークス』が帰ってくる!
2014年10月3日、
”That gum you like is going to come back in style !”
というリンチ/フロストの突然のツイートは、体の奥深くで全細胞が快哉を叫ぶほどに嬉しい驚きのニュースでした(←この表現使い方間違ってるかも)
NetFlixだろうがHuluだろうがWOWOWだろうがAmazon プライムだろうが何であろうと『ツイン・ピークス (Twin Peaks )』 より面白い海外TVドラマ?そんなものはこの世には存在しません。以上!。
と言い切ってお終いにしたいくらいこの四半世紀の間他の追随を許さない史上最高に面白く熱狂的なファンを生んだTVドラマ、それが『ツイン・ピークス』です。
その『ツイン・ピークス』が25年の時空を越えて帰ってくる!
ローラの指パッチンから一瞬にして本当に25年、律儀に25年後に会いましょうという約束を守って復活です。まさに光陰矢の如しですね。
まぁ第二シーズンが不本意な形で打ち切られて前日譚の映画版でリベンジを図ろうにも既にブームが去った後で散々な評価となり、誰もがもう続編の事なんて口にしないほど忘れ去られていたのに25周年記念を目の前にして、突然夢にまで見た待望の復活ニュースです。
しかしただのファンへのリップサービスか、聞きなれぬSHOWTIMEというペイTV(HBOみたいなもので有名らしい)の資金集めのためのバルーンかも?と多少警戒しつつも、上記ローラの指パッチンから25年後の2016年放映の予告によって、ファンなら誰もが夢見ていた新シリーズが始動するという、夢にまで見た待望の展開が現実のものになりつつあるという夢のようなニュースだったのです。
そしてあれからニ年。
当初9エピソード製作されるという話が、その後デビッド・リンチが製作費と契約の問題で監督を降りるというツィートが流れ、やっぱりこの話は何かの夢だったのかと落胆して頭のなかで”in heaven everything is fine ”が流れかけていたのですが、なんとその後にさらに倍の18エピソードを全てリンチの監督で製作するという、さらにまさに夢のようなニュースが届けられたのです。
しかもリンチは全て一本の映画を作るつもりで演出して編集の段階で各エピソードに分割すると言っているので、これは全部繋げればジャック・リヴェットの全編12時間40分の『アウト・ワン(1971年)』よりさらに長大な作品になってしまう可能性があります。
今のところ当方の予想は良い意味で裏切られ、ファンとしてはこの上なく理想的とも言える方向へ状況は進展しています。前回の、特にシーズン2の欠点はリンチと他の演出家では演出のレベルがあまりにも違いすぎるというのが一番の不満だったのですが、今回全てリンチが監督するとなるとその欠点が解消され、存分にリンチ及びツイン・ピークス の世界が堪能できるのです。思えばリンチの降板騒動も9→18エピソードへ至るSHOWTIMEとの政治的な駆け引きだったのでしょう(なんともツンデレなお方)。
そして放送は当初予定より一年遅れの2017年の第二四半期(4~6月)からと噂されています。本当に待望の瞬間までもう少しの辛抱なのです(今のところ公式HPでの正式発表はまだ無い様子)。※1月11日追記:5月21日に決定しました!
しかし25(+1)年振りですか。
25年というと6歳のボクが大人になってさらに子供を作るとか、あるいは大人が就職してドレイリーマンとしてさんざん働き続けてやっと年金受給資格を得るくらいの結構な年月ですよね。
長っ。
そんな長い年月かけて伏線張って続編の構想練ってたんでしょうか、あるいは虎視眈々と伏線を回収する機が熟すのをリンクレイターのようにキャストと役の年齢が同期するのを共に待ってたとか?。
まぁ、いずれにせよリンチ/フロストのことなんで、ちゃんと伏線回収するどころかさらにまた謎が増えるんでしょうねぇ、きっと。
さて、気になるキャストの方ですが、公式キャストリストを見るとかなりというか想定以上にオリジナルメンバーが揃うみたいです。結構みんな同窓会気分で集まってしまったのでしょうか。今から25年後の同窓会の衝撃に備えてちょっと心の準備をしておきましょう。
では以下がシーズン3(正式名称不明)に登場が発表されているオリジナルメンバーの全員です。主要キャストに関してはMSNのニュースサイトに2015年時点の比較写真があったのでそれを貼っておきます(image source:Sherilyn Fenn turns 50: Twin Peaks then and now)。
まぁ、みんな老けたなぁという至極当たり前の感想は言いっこなしよ、ということで(その他は25年前の写真です)。
主役はやっぱりこの人、カイル・マクラクラン扮するクーパー捜査官
Dale Cooper(Kyle MacLachlan)
ローラ・パーマー(と従妹のマディ)の家族も継続です。
Laura Palmer and Maddy Ferguson(Sheryl Lee)
Leland Palmer(Ray Wise )
Sarah Palmer (Grace Zabriskie)
ホーン一家も勢揃いですね。シェリリン・フェンは出番が少ないのかどうか分かりませんが、クーパー偏重の待遇にかなりおかんむりのご様子だとか。
Audrey Horne(Sherilyn Fenn)
Benjamin Horne(Richard Beymer)
Sylvia Horne(Jan D'Arcy )
Jerry Horne(David Patrick Kelly )
ハーレィ一家もそのままです(言わない約束ですがジェームスもすっかりオッサンですなー)。
James Hurley(James Marshall)
Ed Hurley(Everett McGill )
Nadine Hurley(Wendy Robie)
ヘイワード一家。ドナ役はララ・フリン・ボイルと劇場版のモイラ・ケリーがいましたが今回はどちらもクレジットされて無いみたいです。どうなるんでしょうか。
Dr. Will Hayward(Warren Frost)
Gersten Hayward(Alicia Witt )
ノーマ(変わってない!?)、シェリー、ボビーもオリジナルキャストです。
Norma Jennings(Peggy Lipton)
Shelly Johnson(Madchen Amick)
Bobby Briggs(Dana ashbrook )
Betty Briggs(Charlotte Stewart)
マイケル・オントーキンは残念ながら出ないみたいですがそれ以外の保安官事務所の面々、アンディやルーシーやホークは出ます。FBI のアルバートも。女装DEA捜査官は『X-ファイル』のドゥカヴニーだったんですね。
Kimmy RobertsonLucy Moran(Kimmy Robertson )
Andy Brennan(Harry Goaz)
Tommy "Hawk" Hill(Michael Horse)
Albert Rosenfield(Miguel Ferrer)
Denise Bryson(David Duchovny)
ログレディは去年亡くなられたそうですが亡くなる前に撮影した分で出演みたいです。この人は『イレイザ―ヘッド(1977年)』のカメラアシスタントだったとのことですので随分前からリンチのスタッフだったんですね。
The Log Lady(Catherine E. Coulson )
ジュリー・クルーズや巨人も出ますね。小人の人のクレジットは無い模様。
the Roadhouse Singer(Julee Cruise )
The Giant(Carel Struycken)
ロネットやジャコビーや片腕の男や映画版に出てたハリー・ディーン・スタントンまでも出るみたいです。
Ronette Pulaski(Phoebe Augustine )
Dr. Lawrence Jacoby(Russ Tamblyn)
Phillip Michael Gerard(Al Strobel )
Carl Rodd(Harry Dean Stanton)
あとはボビーの友人とかホテルの従業員とかダブルRダイナーのコックとか細かい街の住人も復活です(ここら辺は名前だけだとちょっと思い出せませんね)。
Mike Nelson(Gary Hershberger )
Louie “Birdsong” Budway(Bellina Martin Logan)
Jacques Renault(Walter Olkewicz)
Heidi(Andrea Hays )
Cook at the Double R Diner(Marvin “Marv” Rosand )
映画版の謎のジャンピングマンも同じ人だそうです(←そんなんわかるか!)
the Jumping Man(Carlton Lee Russell )
もちろんゴードン捜査官も出ます。
Gordon Cole(David Lynch)
あとはリンチ作品にゆかりのあるローラ・ダーン、ナオミ・ワッツ、裕木奈江、さらにはモニカ・ベルッチ、ジェニファー・ジェイソン・リー、ティム・ロス、パール・ジャムのエディ・ヴェダ―やナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナー等の新キャスト含めての総勢217名(!)の豪華出演陣が発表されており、既に今年4月の時点で撮影済みだそうですよ。
これは早いとこシーズン1とシーズン2を予習/復習して来るべきシーズン3の準備をせねばなりませんね。
ということで、
ダイアン、今観るべき海外ドラマは『ツイン・ピークス』で決まりだ。
あとコーヒーとドーナツも忘れずにねっ。
ん~damn good coffee!
2014年9月のなかよしツーショット。damn good hair! by カイル
(※2016/12/08:追記)
Twin Peaks Japanさんに取り上げていただきました(よく見つけましたね)。ありがとうございます。こちらの方が日本語で最新情報がゲットできて良いです(ちなみにTwin Peaks Japanでググると食品加工の株式会社がヒットします←狙ってる?)
image source : SciFi Now
【※2017/5/17:追記】
正式タイトル決定のため(仮)より『ツイン・ピークス The Return』に変更しました。
2017年7月22日(土)よる9時放送スタート
WOWOW 日本独占放送!
※(注)以下ネタバレを含みます。
【2017年7月2日追記】
7月22日開始と思っていたので全く油断していたのですが昨日の7月1日にWOWOWで第一章先行放送がありました。日ごろの行いが良かったのかたまたま見ることができましたので簡単に感想をば
第一章
リンチだ!リンチだ!リンチの完全新作だよー。製作総指揮と脚本マーク・フロストとリンチ、監督、そしてサウンドデザインももちろんリンチ。一章だとまだ何にもわかりませんがこれまぎれもないリンチワールドですよー!。
蓄音機の円筒部分に引き寄せられるのは『イレイザーヘッド(1977年)』だし、
ブラック・ロッジにつながってそうなガラスの箱は『デューン/砂の惑星 (1984年)』のナビゲーターの入れ物みたいだし、
ドッペルゲンガーなブラッククーパーは『ロスト・ハイウェイ (1997年)』だし、
蛇皮のシャツは『ワイルド・アット・ハート (1990年)』だし、
人体の一部がみつかるのは『ブルーベルベット (1986年)』だし、
これはもう第一章にして本気モードのリンチ集大成じゃないですか!
最初からソファに座ってる男を延々と撮ってるのもなんともリンチだし、ブラック・クーパーが押し込んだ部屋の人もソファーに座りっぱなしだしその背後に誰か座ってるのに暗くて見えないしで最高です!しかも出てくるちょい役がアパートの太ったおばさんに代表されるようになんともリンチ顔。
しかしこれは単なる懐古趣味ではなく2017年今現在のテレビシリーズだということが重要です。SHOWTIMEというペイTVということもあり第一章を見た限りエログロ猟奇の制限もノーリミットに近いようでリンチの好きにやってそう。
映像もArri Amiraというデジタルカメラを使って撮られているらしく、オープングの滝の俯瞰ショットやニューヨークの夜景空撮ショットなどフイルムとはまた違ったデジタルの解像感を持った2017年現在のデジタルシネマの映像になっています。
ということで新旧ファンどちらでも楽しめる『ツイン・ピークス The Return』これからますます楽しみです!。